南アルプスのめぐみ

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土木ソフト市場 山梨県の街づくり広場

平取りのめぐみ

 

美味しい果物を探して、北海道に行ってきました。

日頃からお世話になっている取引先の方と一緒に、その方の親戚である平取町(ビラトリチョウ)の大農家を訪問しました。平取町は新千歳空港から1時間半ほどのところです。レンタカーを借り、実際に運転するとやはり土地の広さに驚かされます。空港と札幌間を電車で移動していたのでは分からなかったことです。裏道を通ると(裏道と言っても広くて立派な道路ですが)、新千歳空港から平取町まで信号もガソリンスタンドも5つくらいしか数えられませんでした。

 

平取町は沙流川沿いに展開する人口6000人弱の景色の良い町です。町名平取はアイヌ語「ピラウトル」(ガケの間にある所)から出たものだそうです。

お昼に訪問先の大農家に到着しました。ご主人に温かく迎えていただきました。私の感じたご主人宅の第一印象は、昔放映していたテレビ番組の『大草原の小さな家』です。(ご主人宅は大きな家です。)

日本家屋とちょっと違った北海道的な家は、高原に抱かれたようにたたずんでいます。家の前庭の延長線上が紅葉した高原で、敷地と高原の間はなんの隔たりもなく、目の前に広がる景色の中に、ぽつりと家があるといった様子です。家の中から窓の外を見ると、人家を含め人為的な構造物は一切なく、ここに住んでいるのは、こちらのご家族だけのような不思議な感覚になります。

ご主人の服装もコーデュロイのパンツにチェックのボタンダウンと、やはり私たちの服装とは違い、どことなく大陸的、カウボーイ的で格好がいいのです。

 

この大自然の雄大な風景と穏やかなご主人の表情とは裏腹に、私は北海道に着いてから、どことなく落ち着きません、大自然に対して自分のポジションが見いだせない感じです。大自然の中で1人をイメージすると孤独感を感じるものです。逆に都会では人の多さや人工的な構造物に囲まれ、自然と対峙する孤独感は感じません。都会で感じる自然にしても、ひっそりと季節の移り変わりを感じさせる程度のコントロールされた穏やかなものです。しかし、こちらの自然は違います。厳しさと圧倒的なパワーを持ち、人の存在の小ささを痛感させる威圧感があります。

私は大自然に身を置いて、完全に自然に呑まれていました。

自然に呑まれっぱなしの私は、「この威圧的な大自然は、人の価値観、人生観に至るまで大きく影響するに違いない。ご主人の純粋で、温かく骨太な感じは、この大自然が育んだものである。」などど勝手に解釈していました。

 

夕方になり、バーベキューをごちそうになります。

バーベキュー小屋に移動し、そこの薪ストーブでガンガンと食材を焼くダイナミックなものです。私は背広を脱ぎ、ジャージを奥さんからお借りし小屋に向かうのですが、庭が泥るんでいたこともあり、敷地内の別の小屋まで車で移動したのは、あまりにも大陸的です。

バーベキュー小屋ではご主人は特別な食材を用意してくれていました。エゾシカの肉です。それも一頭から僅かしか取れない、背中にあるロースのお肉を生でも食べることが出来るようにと、肉の鮮度を保つために、私たちが到着する時間に合わせ、わざわざ朝早く起きてエゾシカを仕留めてくれていたのです。(ご主人はエゾシカ狩りの名手で、内地からも多くのハンターがご主人を頼ってここを訪れます。)

平取町は「桃太郎」の日本一の産地ですが、トマトだけではなくメロンやとうもろこし、アスパラガス、ジャガイモやカボチャ、米、牛乳から牛肉まで農産物が豊富です。バーベキューを囲み歓談の中で、ご主人はビールを飲みながら平取町の農産物の自慢をします。農作物への愛着を背景に「おいしいよ」と云われて食べるバーベキューは、2倍も3倍もおいしく感じられます。

ビールも浴びるほど飲みました、そして北海道の幸を思う存分バーベキューで戴きました。自然に呑まれていた私も、いつしかどんな高級レストランより、この大草原の小さな家のバーベキュー小屋で、薪ストーブを囲みながらのバーベキューが、とても贅沢なものだと感じる様になっていました。ご主人の心温まるお持てなしに、身も心も温まりました。

こちらに来て、私の考えていた農業と北海道の農業が随分違うことを感じました。農業のリソースである耕作地が50ヘクタールや100ヘクタールというのですから、違うのは当然ですが、農業規模や機械化以上に農業への姿勢が違います。

兼業農家の家に育った私は、農業は休日に行う補助的な仕事と考えていました。また、農業は様々な職種の中の選ぶべき一つの職業とも考えていました。

北海道の農業はスケールが大きく、事業規模に伴う投資額やリスクも膨大ですので、職業と云うより経営です。

また、農業が盛んな地域では農業以外の職業を探すのは容易ではありません。遠方への通勤は北海道の広さを考えると現実的ではないことから、職業選択の自由はおのずと限定的となります。

職業に農業を選択することは、大きな経営資源を継承する代わりに、その地に住むことと、農業を継続的に発展させる覚悟を必要とします。

農業に対する姿勢や心構えが、兼業農家生まれの私とは大きく違っている筈でした。

 

 

農協は農産物の流通ルートの要であり、農協の活動により農家の収入が決まる重要な役割を果たしています。

翌日お会いした農協職員の方々は、農業のリーダーである自覚と熱意に溢れていました。平取町を日本一の「桃太郎」の産地にしたのも、平取農協の長期的な戦略の成果だそうです。

『ニシパの恋人』は「桃太郎の生産量日本一」の平取の強みを生かした戦略的な商品です。その分、原材料や製法にこだわっています。

 

今回平取町に伺い、日本は狭いと教えられてきましたが北海道は十分広く、土地だけではなく大陸的な生活様式から価値観まで、大陸人としての生活がこの地にあることと、北海道には多くの熱意と「大地のめぐみ」があることを知りました。

 

『アルプスのめぐみ』では、「ニシパの恋人」を始めとする、新鮮でこだわりのある製品を食卓にお届けします。

 

2009年1月吉日 店長